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デジタルレールマップとは
デジタルレールマップ(通称デジマップ)とは、膨大な数の鉄道設備をマップ上でかんたんに検索できるWEBアプリケーションです。
路線の住所に相当するキロ程を仮想化した「デジタルキロポスト」により、メンテナンス業務の効率化や現場特情の継承、異常時の情報共有の迅速化に貢献します。
3つの特徴
1)マップに仮想の距離標を刻む
・キロ程から地球上の場所を検索
例えば「奈良線 19k64m」と検索すると、その場所がマップ上に標示されます。
さらに、その場所の緯度経度や住所も取得できるため社外関係者と円滑に位置情報を共有できます。
・現在地のキロ程を1m刻みで表示
GPS付きの端末でログインすると、自分の現在地のキロ程を1m単位で確認できます。
加えて、リアルタイムに自分の現在地を他のユーザーに一時的に公開する機能があります。これにより異常時に社員がドコに居るかを一目で把握できます。
・緯度経度が無くても設備台帳を取込
一般的には設備台帳を取り込んでマップ上に配置するには緯度経度が必須となります。
※緯度経度:34.707407, 135.495049のような値
一方、デジマップではキロ程だけで管理された設備台帳(Excelファイル)を一括でマップ上に配置できます。
2)Googleマップ®と強力に連携
地図アプリとして多くのユーザーに認知され、慣れ親しまれる「Googleマップ」。
デジマップではGoogleマップの機能を随所に組み込み、初めて方でもマニュアル不要で直感的に操作いただけます。
・ストリートビュー®
ストリートビューを表示している間も、画面の上半分にはマップが表示されます。
さらに、マップとストリートビューは位置・視点も常に連動するため空間的に地上設備を把握しやすくなります。
また、Googleが提供するストリートビュースタジオにより、自分で撮影した360度画像を全世界に公開・デジマップで表示できます。
・ナビゲーション
現在地からデジタルキロポストまでのナビをGoogleマップで開始できます。
そのため、事前にGoogleマップのアプリをインストールしておけば、現地までのカーナビとして代用できます。
また、日々の運行障害(架線への飛来物・倒竹木・橋桁衝突など)時にも指令が事務所から障害地点までの所要時間算出に役立ちます。
・Googleマップ検索
デジマップの検索ボックスでは、登録された名称で設備を検索できます。
さらに、検索候補にはGoogleマップに登録されている施設・ランドマークも表示されます。
そのため、ユーザーはデジマップとGoogleマップの両方の検索結果を一度に得ることができます。
3)かんたんにマップを作成・共有
鉄道の現場では時に暗黙知として受け継がれる地域の特情が多くあります。
例えば
・最寄りの駐車場
・作業時に危険な場所
・管理が必要な樹木
・立入用の門扉
・用地の境界杭
・資材の仮置き場
デジマップにはこのような情報をマップ上にピンとして登録し、他のユーザーに手軽に共有する仕組みがあります。
・入力項目は自由にカスタマイズ
ピンに登録する情報=属性情報はユーザーが自分自身でExcelファイルを取り込んで何個でも設定することができます。
また、写真や図形も一緒に登録できるため、異常時の初動対応で関係個所との位置・現況の共有に役立ちます。
・マップの公開範囲は自由自在
マップの公開範囲は作成した本人が細かく設定できます。
(パターン例)
① 自分だけに公開
② 自分とAさん、Bさん、Cさんだけに公開
1) Aさんは共同管理者としてメンバー編集も可
2) Bさんは共同編集者としてピンの登録のみ可
3) Cさんは閲覧のみでピンの登録は不可
③ 全社員に公開
1) 自分以外は閲覧のみでピンの登録は不可
2) 全社員が共同編集者としてピンの登録可
・外部のマップ(API)と繋がる
地理院タイルのようにタイル配信されているマップや、GeoJSON形式のデータをURLで指定すると、デジマップの地図に重ねて表示できます。
例えば、ハザードマップと重ね合わせることで、被災する可能性のある鉄道設備を一目で把握することができます。
JR西日本グループでの活用事例
- 近接工事に伴う協議場面で現地ロケーションの確認・巡回用マップを作成して作業を効率化
- 財産図面や巡回検査記録などを登録して現場作業の簡素化・省力化
- 用地杭をマップに登録し、現地で用地範囲を確認することによる時間短縮
- リスク情報をマップ化して現場作業時の安全性向上
- 線路内への立ち入り可能箇所をマップ化して現地までの移動を確実に
- 保線社員の現在地をリアルタイムに指令と共有し、復旧見込時間のご案内に
導入に必要な環境・手続き
システムの仕様
- インターネットにつながる端末(パソコン・タブレット・スマホなど)の最新版ブラウザから、インストール不要で利用可能です。
※IEではご利用いただけません
※一部のOS・バージョンでは利用できない機能があります - 利用にはユーザーごとに法人のメールアドレスの登録が必要となります。
※@gmail.comなどフリーメールのアドレスでは登録できません
※@westjr.co.jpなど法人ドメインのメールを受け取れる環境が必要です - デジマップの機能、及びユーザーインターフェイス(画面のボタン配置・操作方法)は導入後に変更となる場合があります。
- デジマップはクラウド型のサービス提供(SaaS)です。
オンプレミス型(当社のクラウド環境以外)でのサービス提供は実施しておりません。
ご利用方法
- デジマップは法人限定のサービスです。個人でのご契約・ご利用はできません。
- ご利用にあたっては利用契約を締結後、月々の利用料金をお支払い頂きます。
なお、支払い方法は請求書払いのみ(複数ヵ月分おまとめ可)となります。
※1名からでもご利用可能ですが、ユーザー総数に応じた料金体系となります。 - ご利用開始前に線路形状やキロポストの初期データ整備(有償)が必要です。
※お手元の線路平面図等を借用し、御見積り致します(見積作業は無償)
お問合せ
- デジマップのご利用申請、またはデモや試用もお気軽にご相談ください。
- 線路・停車場の平面図や構造物図面のデータ整備も承ります。
- 地理情報の活用による維持管理・防災のコンサルティングも可能です。
こちらよりご連絡をお待ちしております。