outlineソリューション概要
アジア航測のスマート林業ソリューションをご紹介します
(今回記事は★をご紹介します)
★正確な森林資源情報の提供サービス
・効率的な伐採計画~出材量の算出サービス
・森林資源情報を駆使した境界明確化サービス
・安全な作業道確保のための路網計画サービス
・森林資源情報の総合支援クラウドシステム
航空レーザ計測データから高精度な資源量の把握が可能になります
森林資源情報は森林における様々な計画立案のための最も基本的な情報です。
アジア航測では航空レーザ計測データから、単木単位での森林の資源量を算出する手法を開発しました。
これにより、従来の航空写真による資源量の把握に比べ、より高精度な資源量の把握が可能となりました。
課題と解決策 Issues & Solutions
課題 …日本国内の森林の現状

日本の森林は国土の約3分の2を占めており、国土保全、水源涵養、生物多様性の保護、地球温暖化防止、木材生産などの多様な機能を持つ「緑の社会資本」として私たちにさまざまな恩恵をもたらしています。国内の森林面積は500万ha以上(兵庫県6つ分の面積)で、蓄積量は約50億㎥に達しています。
2018年に成立した森林経営管理法を受け、2019年には森林環境税が制定され、持続可能な森林管理の取り組みが全国で始まりました。これらの取り組みを支えるためには、広域の森林資源を効率的に管理するシステムが求められています。
課題 …スマート林業に求められるもの
利用期を迎えた豊富な森林資源を活用し、林業を成長産業にするためには、最新技術としての情報通信技術(ICT)を取り入れたスマート林業が必要です。スマート林業では、航空レーザ計測などの最新技術を用いて広域の森林資源データを収集し、土地所有境界調査を含む基礎情報を整備します。クラウドシステムを活用してこの基礎情報を利用し、森林計画、施業管理、木材流通などの分野での効率化を進めています。
解決 …アジア航測のスマート林業への取り組み

アジア航測は、航空レーザ計測などの最新技術を用いて森林資源や地形を測定し、森林・林業に関するさまざまなニーズに応える総合コンサルタントです。
特に森林計測においては、森林資源の正確な把握だけでなく、詳細な資源データを基にした単木レベルの解析や伐採時の出材量予測、木材搬出用路網の計画支援など、幅広いサービスを提供しています。
また、森林管理や台帳管理、流通の改善を促進する「総合支援クラウドシステム」も提供しています。
航空レーザ計測のしくみ
航空機から照射されたレーザパルスが、地物に反射して戻るまでの時間を計測することによって、計測対象の位置と高さを同時に把握しています。
森林では樹冠の表層だけではなく、枝葉の隙間から地表に到達するパルスによって地盤の座標を取得し、樹木の高さ、立木本数、材積等を算出します。

正常な森林と手入れが必要な森林
航空機から照射されたレーザパルスは最初に樹木の表層部(樹冠)に反射します。これをファーストパルスと呼びます。
レーザパルスの一部が樹冠の隙間から林内の低木に反射したパルスが中間パルスです。
さらに地面に到達し反射したパルスがラストパルスになります。
中間パルスが少ない森林は、樹冠部が密になり過ぎて林内に太陽光が届かない状態になっているため間伐など手入れが必要な森林「単層林」です。
一方、中間パルスが多い森林は、樹冠部が適度に空いていて林内にも太陽光が届いているため亜高木層や低木層が発達した正常な森林「複層林」であることがわかります。

樹種判読
レーザパルスが反射した対象物によって強度に違いがでます。これを反射強度と呼びます。
この反射強度の違いを識別して色彩表現した「レーザ林相図」を利用すると樹種の判別ができるようになります。
例えば、航空写真(左図)では太陽光の影地のため樹種判読ができないエリアもレーザ林相図(右図)では影地以外と同様に表現できます。
アジア航測は、レーザ林相図の特許(特許第5592855号)を取得しています。

さらに航空写真では判読が難しいヒノキ林とスギ林であっても明らかに色調の違いがわかるため簡単に樹種判読とエリア区分ができます。

樹木の本数と高さ
森林の立木の本数を算出するための技術として、樹頂点抽出技術があります。
航空レーザ計測データから樹冠の形状を推定し、その樹冠の頂点(樹頂点)を抽出します。
その樹頂点の数から本数、樹頂点と地面との高さから樹高を算出します。
アジア航測は、樹頂点抽出技術の特許(特許第4279894号)を取得しています。

樹木の太さ
さらに樹冠の形状からその面積を算出することで、単木レベルの胸高直径を推定精度2㎝程度のずれの範囲で自動算出することができます。


単木解析(単木単位での森林資源量の算出)
航空レーザ計測データから、以下の森林資源情報を得ることができます。
◆「正常な森林」と「手入れが必要な森林」の区分
◆森林の樹種(林相区分図)
◆樹木の本数
◆単木の高さ(樹高)と太さ(胸高直径)
単木単位のデータを集計・分析することにより、森林の手入れ(間伐)が必要な時期や場所を効率的に正確に把握することができます。
さらに現地調査データから地域性や地形特性、森林の手入れの履歴などを加味することにより精度は向上していきます。