ポイント
- 施設管理DXの一環としてごみ箱センサーを導入
広大なキャンパス内のごみ回収を効率化するため、ごみ箱センサーを導入。可視化されたデータにより、清掃業務の変革に着手。 - 採用難・人手不足に対応したオペレーション構築
清掃スタッフの採用難・人件費高騰に直面する中、限られた人員で効率よく清掃業務を回すための改革が求められている。 - 使用傾向データをもとに巡回ルートや設置場所を最適化
センサーにより取得したごみ量データをもとに、清掃の頻度やルートに加え、ごみ箱の増設・移設・撤去の判断も可能に。 - 他キャンパスへの展開も視野に施策を推進中
大阪いばらきキャンパス(OIC)での導入成果を活かし、他拠点への展開も検討中。
導入事例の概要
人手不足や人件費の高騰に直面する中、立命館大学では施設管理分野におけるDX(スマートビル管理)を積極的に推進しています。
大阪いばらきキャンパスでは、JR西日本のIoTソリューション「locomotion」の一環として、ごみ箱の使用状況をリアルタイムで可視化するシステムを導入。
ToFセンサーによりごみの「かさ」を測定し、クラウド経由でデータを収集・分析。
曜日や天候、イベントによる利用変動を可視化し、清掃ルートの最適化やごみ箱の設置場所見直しが可能になりました。
今後は他キャンパスへの展開も視野に、スマートな施設管理体制の確立を目指しています。
導入企業の概要
導入企業名:学校法人立命館
所在地:大阪府茨木市(大阪いばらきキャンパス)
業務内容:大学教育・研究・施設管理

課題と解決策の概要
課題
立命館大学ではスマートキャンパスの実現を掲げ、施設管理業務のDXを積極的に進めています。
清掃業務においては、清掃スタッフの採用難や人件費高騰といった課題に直面し、従来のやり方では持続可能な体制の構築が困難になっていました。また、曜日や天候、行事によって発生するごみの量にも波があり、清掃ルートや人員配置の最適化が求められていました。
課題認識から解決までの流れ
同大学は、JRWがエスコンフィールドHOKKAIDOなどで実施していた施設管理施策に関心を持ち、「locomotion」のごみ箱センサー導入を決定しました。
このセンサーは、ToF(Time of Flight)方式でごみ箱内の“かさ”を測定し、データをクラウドに自動送信。ごみ量の推移は自動でグラフ表示となりイメージしやすくなっています。
蓄積データをもとに、清掃ルートの最適化やごみ箱の増設・撤去判断が可能となり、限られた人員でも効率的な清掃体制の構築が進められています。



導入後の効果・メリット
大阪いばらきキャンパスでのセンサー導入により、ごみの発生状況を定量的に把握できるようになりました。
曜日・時間帯ごとの利用傾向を踏まえて、回収頻度の調整や設置位置の最適化などを検討。業務の無駄や過不足を減らし、利用者の満足度向上にもつながっています。
現在は他キャンパス(びわこ・くさつキャンパスなど)での展開を視野に、さらなる施設管理の高度化を模索しています。
顧客の声
学校法人立命館 徳田昭雄 様 <立命館大学経営学部 教授 博士(経営学)> のコメント

「大阪いばらきキャンパスは、IoTやロボット、AIなど最先端テクノロジーのテストベッドとして活用する“リビングラボ”として位置づけています。今回の連携でも、大学がリビングラボとして果たす役割は非常に大きいと考えています。
ごみ箱の稼働状況には、学生の食生活が反映されているはずです。たとえばこのデータを、学内の食堂やコンビニ、キッチンカーなどと紐づけて、ダイナミックプライシングによる需給調整に活用すれば、混雑の緩和やフードロスの改善にもつながる可能性があります。
立命館大学を実証実験の場として選んでいただいたことに感謝しています。まずはこのごみ箱センサーの取り組みを通じて、目に見える成果を出し、その価値を学内にしっかりと浸透させていきたいと考えています。」
※本コメントは、立命館大学公式ウェブサイト掲載の記事内容をもとに再構成しています。
(参考:立命館大学ニュース)