JR西日本はソフトバンク株式会社と共同で、自動運転と隊列走行技術を用いたBRT(Bus Rapid Transit:「バス高速輸送システム」)の開発プロジェクト(以下、本プロジェクト)を進めています。今回はここまで進めてきた実証実験の成果や、今後の取り組みについてご紹介します。
プロジェクトの概要や東広島市を含めたこれまでの取組みについては、過去の記事(以下リンク)よりご覧ください。
次世代モビリティ(自動運転・隊列走行BRT)プロジェクトをご紹介 – JRW Innovation platform (jrw-ip.jp)
1.専用テストコースでの実証実験の成果
2021年10月より専用テストコース(滋賀県野洲市)で行ってきた実証実験は、2023年7月に完了しました。ここまで3種類の自動運転車両(連節バス・大型バス・小型バス)を用いて隊列走行試験を行ったほか、さまざまな技術を組み合わせて、通常の運行場面だけではなく異常時を想定した総合試験も行い、これらの試験から大きく4点の成果を得ました。
2023年9月15日には、実証実験の成果を多くの方に知っていただくために、報道公開を開催しました。
2.東広島市での実証実験実施とその成果
専用テストコースでの実験成果も踏まえて、公道での実証実験を、2023年11月より広島県東広島市で実施しました。また実証実験に併せて、2024年1月・2月には市民向け試乗会も開催しました。
今回は本プロジェクトとしては初の公道実証であり、また「連節バスの公道での自動運転」「自動運転バスの公道での隊列走行」の2点において、国内初の取組みとなりました。その中で、自治体や警察、ジェイアール西日本コンサルタンツや中国ジェイアールバスといったJR西日本グループの企業と一丸となって、安全に実験を進めてきました。
また試乗会は12日間で約1100人もの方々が参加され、参加者からは、自動運転・隊列走行といった新技術やBRT導入への期待など、さまざまな声が寄せられました。
3.今後の取組み
東広島市においては、2024年度も実証実験を重ね、東広島市の都市拠点へのBRT実装検討、そして鉄道、路線バスとの連携による交通ネットワークのさらなる魅力向上と発展のために、スピード感をもって検討を進めていきます。
また、「自動運転・隊列走行BRT」の社会実装に向けた取り組みを進め、2020年代半ばをめどに自動運転レベル4の許認可取得を目指します。まちづくりと連携した持続可能な地域交通の実現に向けて、ご関心をお持ち頂いた皆様との対話を積極的に進めてまいりますので、ぜひお声かけください。