ecoシミュレーション

2025-07-03

駅舎の省エネルギーと快適性を両立

Eco Top

outlineソリューションのポイント

•駅舎の省エネルギー化と快適性向上を目指すシミュレーション技術です。

駅舎の地球環境に配慮した省エネルギー化を目指し、JR西日本が導入したシミュレーション技術です。駅エコステーション化に貢献し、照明等による電力消費の大幅削減や、利用者の快適な空間づくりを実現します。

•設計時に使用した3Dモデルを活用し、容易に実施できます。

駅舎の設計時に作成する3Dモデルをそのまま活用できるため、容易にシミュレーションを実施できます。

•昼光と温熱環境のシミュレーションを行い、電力削減や熱環境課題の解決に貢献します。

昼光シミュレーションにより、昼間の人工照明利用を最小限に抑え、駅の照明電力の大幅削減に貢献します。また、温熱環境シミュレーションで熱溜りなどを特定し、対策を検討することで快適な駅空間を実現可能です。

•実際の駅での計測により、その有効性が確認されています。

JR西日本管内の駅舎や駅に併設される自由通路、さらには工場など、多様な施設での導入事例があります。東海道本線岸辺駅、摩耶駅、山陽新幹線新山口駅などでの適用実績を持ち、省エネや快適化に貢献しています。

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ユースケース、効果 Use Cases & Effects

1.昼光シミュレーション

駅における消費電力の約半分が照明で消費されていますが、近年は建築デザインもガラスなどを多用した駅が増えてきており、適切な昼光利用を行うことによって電力消費量の大幅な削減が見込めます。しかしながら、これまでは建築設計と電気設計の協調が必ずしもうまくいっておらず、窓際の照明が昼間時でも点灯していたりするなどの例がありました。

そこで、近年の橋上駅の設計においては、昼光シミュレーションを試行的に行い、昼間時に人工照明の利用を最小限にすることを目指しております。 東海道線岸辺駅は、2012(平成24)年3月17日に橋上駅舎の使用を開始し、4月25日に南北自由通路の利用を開始しました。自由通路や駅舎の一部分には幕屋根を利用し、昼光を最大限に利用する構造となっています。駅舎の建築設計を行う場合、仕上がりイメージを確認するためのパース作成に際し3Dモデルを作成することが多くあります。この3Dモデルを活用することにより、昼光シミュレーションを容易に行うことが可能となります。

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駅舎完成後、この前提条件とほぼ同等の日照条件となった日に照度を実測したものが以下に示す図です。概ね事前のシミュレーション結果と一致しており、シミュレーションの有効性が確認できました。

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2.温熱環境シミュレーション

昼光利用を実施する際には、温熱環境についても検討を行う必要があります。一部の駅を除いてコンコースの冷暖房は行っていませんが、不用意に太陽光を取り込むと外気温に比べて駅舎の温度が著しく上昇してしまう可能性があります。

駅舎3Dモデルを基に、温熱環境シミュレーションを行ったものが以下の図です。これは橋上駅の設計初期のものであり、一般的な構造・材料を採用するものとして実施したものです。天井部に設けた開口部より熱が効果的に排出されている反面、昼光の影響を受ける南側面の温度が上昇し、熱溜り(外気温+6℃)ができてしまうことが判明しました。

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温熱シミュレーション結果(対策前)

そこで、入射熱量の大きい南側窓ガラスを遮熱性能の高いものに変えて日射熱の影響を低減させるとともに、南北面に自然換気窓やガラリ面積を増やすことにより、熱が外部に逃げやすくなる構造として再度シミュレーションを行ったものが以下の図です。これによって熱溜り部分が無くなり、快適な空間となっていることが確認できました。

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温熱シミュレーション結果(対策後)

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導入事例Use Cases & Effects

・東海道本線岸辺駅 東海道本線摩耶駅

・JR西日本駅舎・自治体自由通路(敦賀駅、広島駅、米子駅、向日町駅ほか)

・JR西日本工場(吹田総合車両所、博多総合車両所)

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