「牽引式レール交換機」を使用したロングレール交換作業において、発生レールを建築限界外へ追い出す作業の効率化を目的に、追い出し専用の台車装置を開発しました。

1.開発に至るまでの経緯
「牽引式レール交換機」を使用したロングレール交換作業では、移動する交換機に追従して、発生レールを建築限界外に追い出し、受台上に仮置く必要があります。この作業は、レール交換範囲の全長に亘りバールを使用して行われるため、多くの作業者が必要となることや相当な重労務となっていました。この問題を解決するために、発生レールの追い出しを専用とする台車装置を開発することとしました。

2.「レール整理台車」の概要と導入効果
開発した台車装置については、交換機の最後部に連結することで動力を不要としています。台車のフレームについては、追い出し方向に任意の寸法で張り出し可能な構造となっており、発生レールの追い出し量の調整が可能です。また、張り出したフレームの先端(レールを追い出す箇所)には、垂直方向に可動する縦ローラーを設置することで、円滑なレールの追い出しと、発生レールの高さ方向の変位にも追従できる構造としています。
本台車装置を活用することで、発生レールを追い出す作業者が最大4名程度削減されるとともに、バールを扱う作業もわずかとなり、大幅な労務軽減や作業の効率化につなげることができます。


3.ロングレール輸送車からのレール取卸しに活用
本台車の特徴である、縦ローラーがレールを追い出しながら走行するという機構を活用し、ロングレール輸送車からのレール取卸しにおいても「レール整理台車」を活用しています。同作業も、バールを使用してレールを追い出す作業ですが、輸送車から降下するレールは、その挙動が不安定なこともあり、レールに接近しての作業は労働災害発生のリスクが極めて高い作業です。本台車装置を活用することにより、レールに接近しての作業が大幅に削減できることで労働災害発生のリスク低減および作業の効率化につながります。


4.まとめ
当社におけるロングレール交換については、「牽引式レール交換機」の使用が標準的な工法として定着していますが、付帯する人力によるレールの追い出し作業に本台車装置を活用することで、一連の作業プロセスの多くで機械化等が図られ、作業環境の改善や生産性の向上につながりました。
ロングレール交換作業の効率化に最適な「レール整理台車」を、「牽引式レール交換機」とともにぜひお試しください。