outline製品概要
製品のポイント
カメラ画像とDeep learning技術により、車両扉の開閉状態を示す車側灯の点灯、消灯状態を判定します。それぞれの車両パターンで判定することが可能です。
特徴 ・仕様FEATURES
特徴
- 車側灯判定システムの概要
- 大阪駅(うめきたエリア)地下駅のホームにおいては優等車両(はるか、くろしお等)や近郊車両など多種多様な列車が入線してきます。精度向上の観点から判定機能を1パターンとするのではなくそれぞれの列車パターンに合わせた判定機能を構築することにしました(下図参照)。

各車両の車側灯表示状態
- 加えて、車側灯の判定を列車在線時に合わせて開始するため、フルスクリーンホームドアが開き始めたタイミングをトリガーとすることにしました。入線する車両パターンやホームドアの開閉状態などはホームドアの総合制御盤より情報を取得している為、総合制御盤と通信することでそれらの情報を逐次受信することにしました。また、乗務員への明示のため、別途フルスクリーンホームドアへ設置する乗務員用確認モニタへ車側灯の表示状態を接点出力することにしました。これらの点から下図のような接続系統を構築しました。

車側灯判定システムの接続系統図(大阪駅(うめきたエリア)地下駅の場合)
- システムのメリット
- 車両扉における開閉状態の確認をDeep learning技術を導入することで、これまで各人の目視により判断したものから機器による自動判定へと変わるためヒューマンエラーによる列車の誤発進は低減されます。自動判別の処理時間も数秒程度で出力できるので、列車の運行遅延にも影響を及ぼしません。
- また、各駅への展開においては既存で設置しているカメラを用いて一定条件下で車側灯をとらえることができれば新たなカメラの設置は不要となり導入コストも低減できます。今回は乗務員が確認するモニタへの接点出力でしたが、ユーザ様の要望に応じた状態表示出力のカスタマイズも可能です。
ユースケース、効果Use Cases & Effects
開発経緯
大阪駅(うめきたエリア)の地下駅ホームに、今回初めてフルスクリーンホームドアを設置することになりました。フルスクリーンホームドアはフルハイトタイプのホームドアであるため、これまで乗務員が列車への乗降状況を確認するために使用していたITV装置の寸法が建築限界を超えてしまうため、導入できないという課題がありました。 そこで代替となるシステムとして、車両扉の開閉状態を示す表示灯(以下、車側灯)をカメラでとらえ、その映像を事前にDeep learningを用いて学習させた判定機能と照合することにより、車側灯の点灯・消灯状態を判定する車側灯判定システムを考案しました。導入にあたり精度確認の為、JRの既存地下駅に設置したカメラ映像を用いて判定した結果、高精度(99%以上)に車側灯の点灯・消灯状態を瞬時に判別できることが分かりました。このことから大阪駅(うめきたエリア)地下駅へ本システムを導入することになりました 。
導入サポート
扉の開閉状態を車側灯の点灯状態から判断するシステムを構築しましたが、本技術は鉄道分野以外への応用も十分可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。