outline製品概要
人の手に依存してきた工具管理を、RFID技術でシステム化
鉄道関係等において、工具管理(置き忘れの防止等)は、日々の作業の中でも重要度が高く、また手間のかかるものとなっています。このシステムは、RFID技術(※)を使用することで、これまでチェックリストなど人の手に依存してきた工具管理をシステム化し、「見える化」「省力化」することが出来ます。
※RFID技術とは:電波を用いてタグのデータを非接触で読み書きするシステムのこと。バーコードのスキャンと異なり、RFIDは電波で複数のタグを一気にスキャン可能です。
「いつ」「誰が」「何を」持出・返却したか、作業者と管理者の両方がタイムリーに確認できるように
このシステム導入により工具管理でもっとも重要な「いつ」「誰が」「何を」持出・返却したかを作業者と管理者の両方がタイムリーに確認できるようになり、置き忘れなど工具管理に関わるリスクを低減することが出来ます。
特徴 ・仕様 FEATURES
特徴
この工具管理システムは、私達が日々行っている鉄道車両のメンテナンス作業の中から生まれたものです。主な特徴としては、下記の通りとなります。

仕様
- 各工具に「RFIDタグ」を取付けます。
- 工具の持ち出し時は、「RFIDリーダー」で工具(タグ付き)を読み、持ち出し申請をします。
- 工具の返却時は、再度「RFIDリーダー」で工具(タグ付き)を読み、返却申請をします。
- ネットワークを使用することで、現場はもちろん事務所でも工具の持出・返却の確認ができます。
ユースケース、効果 Use Cases&Effects
ユースケース
(1)導入前
工場内に工具管理用のスペースを設けて、工具の形に形取りした場所に工具を収める「形跡管理」を実施していました。また、工具の持出しと返却の際は、作業者一同で「工具持出しリスト」を使用し、日々確認作業を行っていました。

(2)導入後
①チェックリストを廃止しても、「いつ」「だれが」「なにを」持ち出したかが分かるようになりました。


②個人持ちの工具を廃止し、共用の「工具保管庫」を整備することで集中管理を行うようにしました。この「工具保管庫」には、セルフレジ方式のRFIDリーダー端末を複数台配備しました。RFIDリーダー端末を専用架台にセットしておくことでスムーズな持出/返却が可能となりました。
③工具の使用状況を事務所内の大きなモニターに表示することで、事務所でも異常を見逃さない環境を作ることができました。

ラインナップ
お客様の要望によって、機器構成はご提案可能です。
開発経緯
車両への工具置き忘れにより、重大な事故になることが容易に推定されます。
これまでの対策として、員数確認、形跡管理、ダブルチェック等対策を実施してきましたが、周期的に工具忘れが発生してきました。
これら全ての対策は作業者の注意力に頼るものであり、長期的に実施していくと工具確認は一つの流れ作業になってしまい、工具管理に対する注意力が落ちることが分かってきました。
そこで工具管理を人の管理から機械的な運用へ切り替えることで、ヒューマンエラーによる工具置き忘れ・管理状況の見える化と工具管理の省力化を行うために本製品を開発しました。

構想中の仕様
ソケットのような工具に、本来の工具の働きを阻害せずに、RFIDタグを埋め込んだり、RFIDタグを取りつけられる構造を検討しています。
導入サポート
デモ(実機持参)やトライアル(システム貸出し)にて実際の運用効果を体感していただけます。
よくある質問
〇自前のモニター、パソコン、ハンディターミナルを活用して導入することは可能ですか?
➡キッティングなどの費用が別途必要ですが可能です。
〇本システムは鉄道業界でしか使えないシステムなのですか?
➡いいえ、鉄道業界に限らず、他業界へのご提案活動も視野に入れています。
〇測定時はどのくらい近づける必要がありますか?タグの耐久性は?
➡通常1m以内の使用を想定しておりますが、RFIDリーダーの出力は最大10m程度。その範囲内であればタグの性能に依存します。タグを工具に付けた時の状況によっては、電波感度は落ちることがあります。
ただし、タグに関しては半永久的に使用できますが、落下などによるタグ内のICチップの破損などにより、使用できなくなる場合がございます。