outline本工法のポイント
施工ヤードの確保が困難な盛土上等に防音壁等を構築する場合に人力で施工可能な工法として開発した基礎工法
鉄道営業線の盛土部等の狭隘な場所での防音壁等の基礎杭の施工において、防音壁等に作用する風荷重等の水平荷重に対して効果的に支持力を確保できる小口径斜組杭基礎を採用することにより、線路内に進入することなく小型の機具を用いて人力で施工可能な基礎工法を開発。
基礎杭が長くなく狭隘な場所でも使用できる
防音壁の高さが2.5m程度の場合には杭長を2.0m程度にすることが可能であり、狭隘で重機の進入が困難な場所でも小規模な機械や人力で運搬・施工することが可能
想定されるシーン
鉄道等の盛土上や地平部に設ける防音壁等の壁体の基礎。
「小口径組杭壁体基礎工法」とは
鉄道営業線の盛土部地盤等における防音壁・防風壁の施工は、線路に近接する狭隘な施工環境となることが多くなっております。これには杭等の基礎の構築が必要となりますが、のり面上など狭隘な線路の近傍では、大型重機を用いて基礎を施工することは困難なことが多く、人力あるいは簡易な機械で施工できる杭構造を選定する必要があります。そこで周面抵抗力の大きな杭を斜めに打込んだ組杭基礎構造として「小口径組杭壁体基礎工法」を開発しました。この工法は,小口径の回転圧入杭を斜組杭とすることによって、風作用などに対して十分な水平抵抗力を持つ基礎を、狭隘な箇所でも容易に構築することができます。
特徴‧仕様FEATURES
特徴
- 小口径回転圧入鋼管杭の(斜)組杭基礎であり、高い水平抵抗力が得られます。

- 防音壁等の施工では、人力で施工することにより建築限界を支障することなく、施工を行うことが可能です。また、線路側の杭の施工においても、地盤変状に伴う線路への影響を皆無とし、鉄道輸送に対する安全性の高い施工が可能です。


仕様(採用事例)
- 防音壁高さ(背面地盤から防音壁天端):2.55m以内
前面地盤から防音壁天端:3.30m以内
土質:砂質土N=4~10(粘性土の場合にはN=2~15程度が採用可能)
主たる風荷重:W1=2.0~2.2kN/㎡※
※鉄道構造物等設計標準同解説 土構造物付属資料6等により設定
- 鉄筋コンクリート基礎:長さ900mm、幅925mm、高さ400mm程度
(前面のり面側は根入れを確保する高さとする)
基礎間隔 1.5m ~ 2.0m 程度
- 杭本数・配置:1基礎あたり4本・線路方向、線路直角方向とも500mm
- 背面側の杭の傾斜角:鉛直面に対して30°
- 杭:小口径回転圧入鋼管杭(NSエコスパイラル)鋼管外径φ=76.3mm、羽径φ=176mm
板厚t=4.2mm、杭長ℓ=2.0m、羽設置長さℓ=1.408m、鋼管の材質:STK400、
羽根の材質:SPHCまたはSS400、溶融亜鉛メッキ:JIS H 8641


- 防音壁等の施工では、人力で施工することにより建築限界を支障することなく、施工を行うことが可能です。また、線路側の杭の施工においても、地盤変状に伴う線路への影響を皆無とし、鉄道輸送に対する安全性の高い施工が可能です。


前面地盤から防音壁天端:3.30m以内
土質:砂質土N=4~10(粘性土の場合にはN=2~15程度が採用可能)
主たる風荷重:W1=2.0~2.2kN/㎡※
※鉄道構造物等設計標準同解説 土構造物付属資料6等により設定
(前面のり面側は根入れを確保する高さとする)
基礎間隔 1.5m ~ 2.0m 程度
板厚t=4.2mm、杭長ℓ=2.0m、羽設置長さℓ=1.408m、鋼管の材質:STK400、
羽根の材質:SPHCまたはSS400、溶融亜鉛メッキ:JIS H 8641

小口径回転杭圧入詳細写真及び図
※上記仕様(採用事例)は一般的な適用範囲を示しており、風荷重の大きさ、高欄高さ等設計条件に応じて設計検討を行い、基礎間隔等の構造寸法の決定や採用可否の判断を行う必要がある。
ユースケース、効果Use Cases & Effects
活用事例
鉄道盛土部に設置する防音壁の基礎

導入実績
- おおさか東線建設工事(JR野江~放出)盛土部防音壁基礎(杭長2.0m、杭本数約850本)
- 奈良線第2期複線化工事(桃山~六地蔵)盛土部防音壁基礎(杭長2.0m、杭本数約160本)
- 東海道支線防音壁新設他工事(新大阪~大阪)盛土部防音壁基礎(杭長2.0m、杭本数約330本)
- 松山駅付近高架化竹原南地区その3工事盛土部防音壁基礎(杭長2.0m、杭本数約210本)
導入サポートIntroduction support
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カタログ・資料Catalog & Materials
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