1. 取材にご協力いただいた事業者さまのご紹介
今回、西武鉄道株式会社さま(以下、西武鉄道さま)にご協力をいただき密着取材を行いました。西武鉄道さまは、当社の復元波形を用いたMTT施工を見学されたことがきっかけで、復元作業計画システムNtiRT(以下、NtiRT)にご興味をもっていただきました。
NtiRT導入について、西武鉄道さまでの「導入試験」から「本格導入」までの流れを記事にしてご紹介します!

西武鉄道株式会社さまは、西武グループの中核企業であり、東京都北西部と埼玉県南西部を中心に12路線・176.6㎞の鉄道網を持っておられます。
1日平均約165万人にご利用いただく「鉄道事業」と、沿線自治体や地域社会等と連携しながら沿線活性化を図る「沿線価値創造機能」から構成され、西武線沿線の魅力をさらに高めておられます。
2. NtiRT導入試験の実施方法
導入試験を行う前段階として、事前に西武鉄道さまから試験予定箇所の検測データ(生データ)を提供いただき、当社の技術者が検測データをLABOCS形式に変換して机上検証を行います。
この机上検証は、ご提供いただいた検測データを使用し、支障物や変更点などの情報を考慮しながらNtiRTでMTT作業の復元作業計画を策定します。

① 全区間を不動区間とした計画
NtiRTで作成したデータの整合性・位置ずれを確認するために、線路の変位そのままの計画でデータを作成します。
② MTT整正作業計画
MTTで整正するための復元作業計画データをNtiRTで作成します。
※今回は、西武鉄道さまからのご希望を伺うため、2種類の復元波長帯域で計画案を作成しました。
事前策定した復元作業計画は、導入試験までに西武鉄道さまへメールでお知らせしご確認いただきました。

西武鉄道さまの会議室をお借りし、NtiRT導入前の説明会として、「NtiRT導入試験の流れ」と「NtiRTの使用方法」「復元原波形基礎理論」など、レールテックがこれまで培ってきたMTT作業のノウハウをお伝えしました。(なお、本導入の際は、復元原波形理論の解説など、もう少し踏み込んだ内容をご説明いたします♪)
また、当社で実施した机上検証試験の結果や事前策定した作業計画についての説明も行いました。作業計画については、午後からの現場調査に活かすため、特に念入りに西武鉄道さまからのご要望(例:踏切箇所の扛上量)をお伺いしました。
説明会後は、西武鉄道さまからのご質問を当社の技術者が回答する質疑応答の場も設けられました。
そして、今回のMTT作業の進行方向(上り・下り)や施工距離、西武鉄道さまの保安体制をしっかりと確認し、午後からの現場調査に備えました。

午後からは、西武鉄道さまの線路で現場調査を行います。
この日は晴天で夏日だったため、熱中症対策をしながらの現場調査となりました!
現場調査は、
(1)MTTへのデータ取り込み確認
(2)実測値の計測
(3)現場調査結果を作業計画に反映
の流れで行います。
まずは、(1)MTTへのデータ取り込み確認の作業を行います。

当夜使用するMTTのALCを起動させ、NtiRTから出力された作業計画データが正常に取り込めるか確認します。
(正常にデータを取込みされることを確認できました!)
その後、(2)実測値の計測の作業です。

作業計画と現場の状況を照らし合わせながら、西武鉄道さまと現場調査を行いました。検測データのキロ程確認のため、西武鉄道さまにご協力いただきながら「ローラーメジャー」でデータデポからの実測距離を計測して線路に印付けを行いました。
また、検測データとのキロ程情報の乖離や、支障物についての内容を西武鉄道さまと共有し、MTT作業時のご要望をお伺いしました。なお、現場調査では事前情報と乖離がある場合や、扛上量等の変更がある箇所の作業計画を修正するために、現場の情報をこまめにメモをします。
線路での現場調査を終え、次は(3)現場調査結果を作業計画に反映する作業を行います。

現場調査で得た情報や、西武鉄道さまからのご要望を反映させるため、少しお時間をいただき、作業計画を修正します。(今回は、現場調査の結果により、スタート位置を変更することとなりました!)
そして、再度西武鉄道さまにお集まりいただき、修正した作業計画の確認や現場調査方法について質疑応答を行いました。
点呼時に最終打ち合わせを行ったのち、いよいよMTTの試験走行に向かいます。
まずは、現場調査の内容を反映した作業計画をMTTに取り込みます。

導入試験1日目は、NtiRTによる作業計画が、西武鉄道さまの線路に悪影響を及ぼさないかの確認のため、線路の変位そのままのデータを用いる計画を取り込み、データの整合性・位置ずれを確認する検証試験を行います。
なお、MTTのオペレーションはすべて西武鉄道さまに実施いただき、当社の技術者は、インジケータの動きなどの状況確認のほか、ローラーメジャーによる実測値の計測を行いました。
(Ⅰ)技術者A(MTTフロント)

まずは、西武鉄道さまのフロントオペレーターと施工の流れを確認します。その後、作業開始位置として指定した位置にMTTを移動させ、ALCを起動させます。
いよいよ試験走行による検証開始です!!!
検証試験中はNtiRTの画面を注視しながら、インジケータの動きに気を配り、変化を見返せるよう動画を撮影しています。(西武鉄道さまも興味深そうに撮影されていました!)
インジケータの動きや気になる箇所がある場合は、西武鉄道さまにお声掛けし、作業速度の調整やMTT外にいる当社技術者への指示など、本作業で不安箇所がないように入念な確認を行っていました。

(Ⅱ)技術者B(MTT後方)

技術者Bは、MTT後方にてローラーメジャーで実測値の計測を行います。
(MTTの明かりの方向へ、しっかりと安全な距離を確保しながら計測していました!)
現場調査時のローラーメジャー計測は、検測データと事前情報の整合性確認でしたが、夜間は現場調査の内容に加え、MTTのエンコーダー精度を確認するために行います。実測値とエンコーダーを照らし合わせるため、フロントにいる当社技術者と内容を共有します。(ローラーメジャーをコロコロする地味な作業にも思われますが、非常に重要な作業となります♪)
試験走行作業が終わり次第、検証結果を西武鉄道さまへ速報としてお伝えします。今回は、特段問題なく試験走行を終えることができました。1日目の結果をもとに、導入試験2日目の「実施工による検証」に臨みます。
※試験走行で不安箇所があった場合は、導入試験2日目に現場調査などの追加作業を行う可能性があります。
3. NtiRT導入のご検討方法
NtiRT導入をご検討されている事業者さまには、「導入試験」にてNtiRTの使用体験をしていただいております。ぜひご興味のある事業者さまは、お問合せください。
① お問合せ
まずは、お気軽に(株)レールテック営業企画部へお問い合わせください。
② 事業者さまとお打合せ
当社の技術者が、システムを用いて簡単にNtiRTの概要をご説明いたします!
③ NtiRT導入試験の実施
検測データをご提供いただき、当社の技術者が行います。
事業者さまのご指定場所にて行います。
現場調査および試験走行を、事業者さまのご指定箇所にて行います。
事業者さまのご指定箇所にて、実施工による検証を行います。
施工後の検測結果について、当社にデータをご提供いただければ可能な限り検証いたします。
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ご検討期間
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④ 本格導入のご契約
⑤ 本格導入講習の実施
- MTT復元作業の基礎知識のご説明
- NtiRTの使用方法のご説明
- NtiRTを使用して作業計画線の作成
- 現場調査
- 作業計画線の修正(必要により)
- MTT施工
⑥ NtiRTの本格使用開始
NtiRTを本格導入いただいた後も、当社の技術者がアフターフォローを行いますので、ご安心ください!

NtiRTは、事前に作業計画線を作成するので、経験値による仕上がりの差や、オペレーターの負担を軽減します。
さらに、MTTによる保線作業の時間・コスト・手間を大幅にカットすることも可能です!
MTT保線作業の課題やお悩みをお持ちの事業者さまは、お気軽にお問い合わせください♪
今回は、導入試験1日目の内容をレポートしました!
次回は、導入試験2日目の内容をお伝えします♪