白山総合車両所敦賀支所 車両検修設備関係

2026-07-21

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ポイント

  • JR西日本テクノスが工事施工した車両基地(新幹線)の事例
  • 豪雪地帯を走行する新幹線のメンテナンスに必要な検修設備を有した車両基地
  • JR西日本グループの工場プロデュース力をご紹介
Fig18

鉄道事業者は、鉄道車両を安全で快適な状態に保つために車両基地でメンテナンスを行っています。鉄道車両が技術の進歩により、高品質で安全になるのに比例して、車両基地も高いメンテナンス性能が求められます。特に、本記事で紹介する白山総合車両所 敦賀支所では、豪雪地帯を走行する新幹線のメンテナンスを行うため、高品質な融雪装置と大型の設備が求められます。本記事では、JR西日本グループで鉄道車両に関する業務を担うJR西日本テクノスが工事施工した白山総合車両所 敦賀支所の車両検修設備関係について紹介します。

導入企業の概要

白山総合車両所 敦賀支所の紹介

白山総合車両所 敦賀支所は北陸新幹線の金沢駅から敦賀駅までの間に位置しており、2024年3月に開業しました。敦賀支所は、運行に必要な新幹線車両の保守・点検・整備を行う施設です。雪などの天候でも新幹線の安全な運行を確保するためには、敦賀支所ではメンテナンス作業を効率的に行うための設備や技術が整えられています。

課題と解決策の概要

設備概要

(1)仕業検査庫

 敦賀支所は新幹線の仕業検査を主に実施する車両基地で、冬は豪雪地帯となるため、屋根で覆われた車両基地となっています。仕業検査庫には新幹線が3編成入庫できるようになっており、W7系・E7系の状態を最も高頻度でチェックすることが使命となります。仕業検査庫は営業線から直接つながっており、敦賀支所入区後すぐに検査を行うことが可能です。新幹線は、期間や走行距離の合わせた4つの検査を実施しており、以下の検査を周期ごとに実施しています。

Fig1

〇仕業検査:48時間ごと

  • 短時間で運転に必要不可欠な装置の動作確認を行う検査

〇交番検査:6万kmごと

  • 各装置の動作確認を行う検査

〇台車検査:80万kmごと

  • 台車を鉄道車両から取り外して行う検査

〇全般検査:160万kmごと

  • すべての主要部品を取り除いて行う検査

敦賀支所の仕業検査庫の入り口には輪重測定センサーを設置しており、入庫時に輪重を測定し、車体の左右バランスなどをチェックしています。

(2)臨時修繕庫

臨時修繕庫は新幹線が1編成入庫できます。臨時修繕庫では、新幹線の突発的な不具合に対して、仕業検査庫では困難な台車を外しての修繕などが可能です。架線装置は収納可能で、パンタグラフの修繕などの検査項目に合わせて、調整することができます。先頭車修繕装置もあります。

Fig Rinken

(3)洗浄設備

Fig17

敦賀支所の洗浄装置は、他の新幹線車両基地の洗浄装置とは異なる特殊な仕様になっています。JR西日本のW7系は、薬液と水を使用して洗浄を行います。一方で、JR東日本のE7系は、水のみを使用して洗浄を行います。そのため、本来であれば異なる2つの洗浄装置を車両基地内に準備します。しかし、敦賀支所は敷地面積が小さいため、今回1つの設備で2パターンの洗浄機能を有する洗浄装置を新たに設置しました。


最新機器の導入による安全性&作業性の向上

(1)作業性設備

①パンタグラフ昇降確認装置

W7系・E7系は全長300mと非常に長く、パンタグラフの昇降状態を確認して歩くだけでも大変です。敦賀支所ではパンタグラフ昇降確認装置を導入することで、1つのモニターから、全部のパンタグラフの昇降を確認できるようになっています。

Fig19

②先頭車修繕装置

Fig6 1

先頭車修繕装置を使用することで、安全に前面ガラスやワイパーブレードの修繕が可能です。特に、豪雪地帯を走行する敦賀支所の新幹線にとって、ワイパーブレードなどに関わる検査設備は非常に重要です。

③床下検修車

W7系・E7系の全長は300mを超えるため、台車の下をかがみながら検査を行うと、作業者の負担が非常に大きくなります。そのため、敦賀支所では床下検修車を導入し、座席に座りながら検査をすることを可能にしました。

Fig7

④台車融雪設備

Fig24

W7系・E7系が走行する線区は、豪雪地帯となっており、仕業検査庫に入庫する時には、大量の雪や氷を車体にまとっています。この雪や氷は再び走行を始める前に必ず取り除かなければいけません。なぜならば、新幹線が300km/hで走行中に雪や氷が溶けて落下すると、その衝撃で300km/hに近い速度で雪や氷が新幹線に跳ね返り、窓ガラスなどを割る危険性があるからです。この台車融雪設備は特に重要な車輪近くの雪を取り除くことを目的に設置されています。

⑤温水配管設備&給水配管設備

新幹線の融雪装置の重要性を上記でも説明しましたが、W7系・E7系は全長300mを超えるため、雪や氷を溶かすために非常に多くの温水が必要です。また、トイレなどに使用する水も大量に必要となっています。そのため、敦賀支所には一般的な工場では見られない大きさの温水および水の貯蓄設備を設置しています。

Fig8
Fig9

⑥汚物抜取装置

Fig19

敦賀支所では短い時間で、汚物を取り除けられるように工夫した汚物抜取装置を導入しています。汚物抜き取り途中で、外れたりしないように安全装置も設置しています。

(2)安全装置

①列車給水装置

敦賀支所に入庫中の短い時間で、各号車に給水しなければなりません。そのため、強力なポンプを使用した給水装置を導入しています。また、給水装置を取り付けたまま、新幹線が出庫してしまう問題を防ぐために、ホースが取り付けたままだと、各号車下のホースのランプおよび総括表示板のランプが赤く点灯するような対策を取り入れています。

Fig20

②屋根上踏板装置

Fig Tenjou

新幹線の高さは3.6mあり、落下したら非常に危険です。そのため、敦賀支所では屋根上踏板装置という安全に新幹線の屋根に乗り移れるような設備が設置されています。


地域の環境を踏まえた設備導入

(1)排水処理装置&汚水処理装置

敦賀支所内で回収および発生した汚水は洗浄液などを用いて綺麗に浄化します。その後、排水処理装置にかけて下水道に流しています。

Fig Haisui

まとめ

Fig41

本記事では20243月開業の白山総合車両所 敦賀支所の車両検修設備関係について紹介させていただきました。本記事で説明させていただいた車両基地内の設備はすべてJR西日本テクノスが施工させていただきました。JR西日本テクノスでは車両基地だけでなく、様々な工場の全般コーディネートの経験がありますので、工場の新製およびリニューアルを検討している際はぜひお気軽にお問い合わせください。これからもJR西日本テクノスは、安心・安全な鉄道車両輸送を提供するために、常に最先端の技術と製品を追求していきます。

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