新大阪駅の混雑状況をリアルタイム可視化

2025-07-28

AIカメラの導入で最大6人誤差で正確カウント

Shinoosaka2

ポイント

  • 新大阪駅の混雑をAIカメラで可視化
    JR西日本では新大阪駅に自社開発AIカメラ「mitococa edge」を設置し、駅構内の指定されたエリアの混雑状況(人数カウント)をリアルタイムで把握するシステムのPoC(実証実験)を実施。大規模駅での効果的な混雑把握を目指し、今後さらにデータの活用を検討。
  • 高精度の人数カウントを駅環境下で実現
    従来、駅の混雑状況の把握は目視や定時巡回が中心で、状況変化への即応には多くの人手がかかっていた。特に繁忙期や大型連休など、混雑を定量的に速やかに把握することが難しかったが、AIカメラによる計測で、瞬時に人流の数値化が可能となり、場所や時間に左右されずに現状の混雑度を把握可能。誤差2~6人程度の高精度カウントで、混雑緩和や安全対策の即時対応につながっている。
  • 応用可能性
    他の主要駅や施設でも同じAIカメラ技術を展開可能で、多様な人流解析・安全管理・業務効率化に応用できる。

大型駅では日々多くのお客様が行き交い、特に観光シーズンや連休になると混雑によるトラブルや安全面での懸念が高まります。JR西日本では、こうした課題に対し、デジタル技術を活用した効率的な混雑管理体制の構築を目指してきました。2025年春のゴールデンウィーク、不特定多数が利用する新大阪駅にて、自社開発のAIカメラ「mitococa edge」を使った人数カウントシステムの実証実験(PoC)を実施。駅構内2か所に計6台のカメラを設置し、リアルタイムの映像から高精度で人数を集計することで、目視や巡回では難しかった混雑の定量把握を可能にしました。実験の結果、誤差2~6人という高い精度で人数把握ができ、駅現場では混雑状況の即時把握・対応に大きく貢献。「集計・グラフ化」機能の開発も進めており、今後は新大阪駅以外のターミナル駅や各種施設にも応用展開することで、更なる利用者の安心・安全向上や、駅業務の効率化・高度化を目指していきます。

課題と解決策の概要

課題

新大阪駅のような大規模ターミナルでは、日によって来駅者数が大きく変動し、予期せぬ混雑や人の滞留が度々発生していました。従来は駅員による目視や巡回、定時の観察などで状況を把握していましたが、これではリアルタイムの正確な混雑状況の把握が困難な上、人手や時間も多く必要になっていました。また、混雑の発生から対応までにタイムラグが生じることが多く、一歩遅れた案内や誘導が発生し、安全面やサービス品質の低下につながるリスクもありました。こうした課題を解決するため、“いつでもどこでも正確に、混雑状況を数値で把握できる仕組み”の導入が求められていたのです。

課題認識から解決までの流れ

JR西日本では、これらの課題解決に向けて、自社開発のAIカメラ「mitococa edge」を活用した人数カウントシステムを新大阪駅に導入。人の流れが特に多い2か所に、それぞれ3台ずつ、計6台のカメラを設置しました。AIがリアルタイム映像から人を自動で検知し、誤差2~6人の範囲で正確に人数を数値化。データは即座に専用端末などで確認できるため、混雑状況を遠隔でもタイムリーに把握可能です。2025年春のゴールデンウィーク期間にPoCとして稼動し、実際の運用で十分な精度と有効性を確認できました。今後は、集計・グラフ化ツールの開発を進め、データを長期的に蓄積・分析しやすくすることで、更なる業務効率化や適切な運用指示につなげる計画です。

導入効果・メリット

mitococaによるリアルタイムカウントの導入で、従来の目視だけでなく、場所や時間に縛られずに混雑状況を把握できるようになりました。これにより、状況変化への即時対応や、必要に応じた迅速な案内・誘導が可能となり、お客様の安全確保やスムーズな人流コントロールに大きく貢献しています

{f755af2c A0f8 4550 B119 E715480fd26a}

実証期間中は「現場の状況が自動で正確に分かる」など、高い評価をいただきました。また、今後はデータの可視化・蓄積による分析活用も視野に入れており、さらなる駅サービスの向上や混雑緩和、警備やリスク管理分野への応用も検討します、

Contact
お問合せ

技術情報やパートナー募集に関する詳細はこちらより
お問い合わせください。

お問い合わせフォーム
お問い合わせフォーム