重機作業が困難な狭隘な場所で施工が可能な「小口径組杭壁体基礎工法」

2025-07-25

Shoukoukeitop

ポイント

  • JR西日本と大鉄工業が開発した「人力で施工が可能な盛土部における防音壁等の基礎工法」
    JR西日本と大鉄工業が開発した基礎工法を線増や高架橋アプローチ部等の盛土部防音壁基礎に導入。杭等の基礎に斜組杭を採用することにより杭の作用力を分散・低減させて杭の支持力確保し、人力で簡易な施工を実現。
  • 盛土のり面上など狭隘な場所で線路内に入ることなく簡易な施工がしたい
    盛土部の防音壁等の基礎は、大型重機を施工することが考えられ、その場合線路閉鎖工事等で夜間施工することが必要であった。線路閉鎖工事ではなく昼間に施工可能とするための基礎工法に変更する必要があった。
  • 約40%の工期短縮と約30%のコストダウンが可能
    この基礎工法は、盛土部の狭隘な場所で施工する防音壁に効果を発揮し、重機を用いて夜間線路閉鎖工事で鋼管杭基礎を施工した場合より約40%の工期短縮と約30%のコストダウンを確認。

課題と課題解決手法


課題

鉄道営業線の盛土部地盤等における防音壁・防風壁の施工は、線路に近接する狭隘な施工環境となることが多くなっております。これには杭等の基礎の構築が必要となります。線路の周辺から杭打機等の重機を用いて施工することが困難な場合には、線路内に重機を進入させるか人力掘削等により施工を行うことが必要となります。この場合には列車運行が行われない夜間工事で作業時間の制限や人力の掘削では作業時間を要して工期が長期化します。

小口径課題

課題解決手法

この課題に対し、JR西日本と大鉄工業は小口径鋼管圧入杭の支持力性能と施工性等を確認し、斜組杭とした場合の構造計算を行いました。これを実物大モデルでの水平載荷試験を実施し、その結果を踏まえた再現解析を実施し、小口径鋼管回転圧杭等を斜組杭とした効果的な基礎工法を開発しました。

小口径課題解決手法

導入効果と実績


導入効果と実績

2018年度におおさか東線建設工事(JR野江~放出)における盛土部防音壁基礎に採用し、重機を用いて夜間線路内から鋼管杭基礎を施工した場合と比較して以下に示す導入効果が確認された。

  • 約40%の工期短縮
  • 約30%のコストダウン

これ以降もJR西日本をはじめとした鉄道在来線盛土部防音壁基礎に導入し、施工時の安全性を確保し、工期短縮とコストダウンを実現しています。

今後の展望


今後の展望

本工法は、線路内の重機の使用が削減され、生産性及びコスト削減を図ることができる効果的な盛土部防音壁等の基礎の構築工法であり、JR西日本管内での活用のほか、鉄道他社への盛土部防音壁基礎等への活用展開を進めております。

導入現場/顧客の声


導入現場/顧客の声

弊社おおさか東線作業所にて鉄道営業線に近接した施工において支障物が発生した場合に対応が必要となるものの、重機械を使用せず、すべて人力作業で完了することができたことを確認しております。

Contact
お問合せ

技術情報やパートナー募集に関する詳細はこちらより
お問い合わせください。

お問い合わせフォーム
お問い合わせフォーム