ポイント
- 盛土式ホームにおいてホーム柵整備のために開発した「ホーム柵基礎工法」
JR西日本、ジェイアール西日本コンサルタンツ、大鉄工業、ベルテクスが開発した盛土式ホーム柵基礎工法を京都駅(2番・5番)ホーム柵工事に導入。軽量の高強度プレキャストボックスと人力打設可能な小口径鋼管杭を併用した基礎構造を採用することにより、簡易な施工を実現。
- 構造の単純化・部材の小型により施工にかかる負担を減らしたい
従来工法では、専用の杭打機での基礎杭の施工では盛土内に支障物等がある場合に施工が困難。重層構造で施工ステップが多く工期が長期化、1t を超える重量物の運搬・据付などの問題を抱えており、構造の単純化、部材の小型化を図る必要があった。
- 工期短縮、コスト削減が可能
この基礎工法は、盛土式ホームにおけるホーム柵整備工事に効果を発揮し、京都駅2番線・5番線ホーム及び西明石駅5番線・6番線ホームにおいて、従来工法より施工日数を30%削減、直接工事費を25%削減した実績あり※。
※この効果は現場施工条件により変化
課題と課題解決手法
課題
盛土式ホーム柵基礎設置工事は、これまで採用していた基礎構造は鋼管回転圧入杭、重層構造となる受け梁、RC床版の施工が必要でありました。鋼管圧入回転杭の施工では盛土内に支障物や礫等がある場合に施工が困難、重層構造の受け梁は施工ステップが多く、RC 床版は1t /枚を超え、運搬・据付には重機が必要となり、工期が長期化する問題がありました。加速する鉄道駅のバリアフリー化を踏まえ、これらの問題を解決して盛土式ホーム柵基礎設置工事の工期短縮、コスト削減を図りたいという課題がありました。
課題解決手法
この課題を解決するため、コンクリートと小口径鋼管杭の併用基礎により構造の単純化・部材の小型化を図ることを検討しました。コンクリートは、ホーム柵筐体のアンカーボルトでの固定と機械配線スペース確保のため、ホーム前面側を開口したC型構造とし、現場での施工性を踏まえて軽量にできる超高強度繊維補強コンクリートを採用したプレキャスト製品を採用することとしました。


導入効果と実績
導入効果と実績
これまでに京都駅(2番線・5番線)及び西明石駅(5番線・6番線)のホーム柵整備工事に採用し、従来工法と比較して以下に示す導入効果が確認されました。
- 施工日数を30%削減
- 直接工事費を25%削減
今後の展望
今後の展望
本工法は、工期短縮性及びコスト削減を図ることができる効果的な盛土式ホーム柵基礎工法であり、JR西日本管内での活用のほか、鉄道他社への盛土式ホーム柵基礎への活用展開を進めております。
導入現場/顧客の声
導入現場/顧客の声
京都駅2#・5#ホーム柵設置工事におきまして、弊社京都ホーム柵作業所本工法を採用した盛土式ホーム柵基礎の施工は、従来工法と比較して生産性の向上を図れ、その効果が得られたことを確認しております。