outline製品のポイント
1.事例の概要
・駐車場所から作業現場までの機材の運搬を効率化
道路上も軌道上も両方使用できる軌陸両用の手押し車を独自に開発。
2.解決した/解決を目指す課題
・人力による運搬に関連する肉体的負担や労災リスクの低減
線路内での人の手による機材の運搬は、運搬者の肉体的負担になるだけでなく、バラストや枕木など足元が悪く、つまずいて転倒し、怪我をする恐れもあり。
3.導入の成果/効果
・作業効率化や労災発生リスクの低減
踏切道から荷物を載せたままレールの上を走ることで効率化と労災リスク低減を両立。
導入背景と課題
線路内や線路沿線での作業の際、駐車場所から作業現場までの機材の運搬を効率化し運搬に伴う負担を軽減できる運搬車を開発したいという現場の改善提案から、開発・導入に至りました。

課題解決手法
JR西日本電気テックでは鉄道電気設備の検査・修繕・工事を行っていますが、機材を人の手で持ちながら線路内を歩いて作業現場まで移動することがあります。大きなものの運搬には軌道自動自転車や軽便トロを使用していますが、これらの手段を使うまでもない場合、1回では運びきれない量の機材を人の手で運搬することがあります。
線路内での人の手による機材の運搬は、運搬者の肉体的負担になるだけでなく、バラストや枕木など足元が悪く、つまずいて転倒し、怪我をする恐れもあります。また、軽便トロを使う運搬では、駐車場所から軽便トロまで一旦手押し車で運び、手押し車から軽便トロに積み替える手間が発生します。
道路上も軌道上も両方使用できる軌陸両用の手押し車があれば、これらの課題を解決できると考え、既製品を探しましたが見つからなかったため、独自に開発することにしました。 自動車の荷台への積み下ろしを楽にするために、車体はアルミ製に、荷台はプラ舟にすることで軽量化し、車載時に場所を取らないコンパクトなサイズにしました。軌道走行用の車輪にはベアリングを内蔵し、重量が増してもスムーズに走行できるようにしました。ゴムタイヤを2本にすることで道路上での使用時に安定させるとともに、ゴムタイヤの間に軌道用車輪を付けることで、踏切道から荷物を載せたままレールの上を走ることができるようにしました。
導入効果と実績
JR西日本電気テックでは、全メンテナンスセンターに1台ずつ配備し、作業効率化や労災発生リスクの低減に寄与しています。
導入現場/顧客の声
JR西日本電気テックメンテナンスセンター
従来であれば、駐車場所から作業場所まで工具や材料を抱えて足元の悪いバラスト上を注意しながら何度も往復移動する必要があり、非常に負担が大きかったです。また、転倒による怪我や捻挫の心配もあり、実際にヒヤリとすることもありました。しかし、デュアルバローを使用するようになってからは、運搬のための往復移動を減らせることができ、労働災害の心配もなくなりました。