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プロジェクト事例

2024.11.26

鉄道アセット活用による水素利活用計画・次世代バイオディーゼル燃料その後をご紹介

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  • JR西日本グループでは、2021年に環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し、2050年にグループ全体のCO₂排出量「実質ゼロ」とすることをめざした取り組みを行っています。
  • 「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」における主な取り組み分野のうち、「地域との連携による脱炭素社会実現への貢献」および「新技術による鉄道の環境イノベーション」に資する取り組みとして、水素利活用の実現や、次世代バイオディーゼル燃料の導入に向けて検討を進めています。
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1.水素利活用計画

水素利活用計画として、駅などの鉄道アセットを活用した総合水素ステーションを設置し、燃料電池列車やバス、トラック、乗用車に対する水素供給および日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)の貨物列車による水素輸送の拠点としての活用を検討します。自治体や企業の皆さまと連携した水素利活用により、グリーンで持続可能な交通ネットワークを実現するとともに、当社が水素の利用や供給、輸送といったサプライチェーンに関与する水素のプラットフォーマーとなることで、地域の水素利活用展開およびCO₂排出削減への貢献をめざします。

当社は、このような地域との連携による水素利活用について、姫路地区、倉敷市水島から津山にわたる岡山地区、山口・周南地区で検討を開始しており、本計画の実現により、鉄道アセットを活用した水素利活用の拡大による地域の経済・産業の持続的発展や、水素輸送による地域外への水素利活用の展開に寄与できると考えており、引き続き地域の自治体や企業の皆さまとの連携を図りながら、水素社会の実現に貢献してまいります。

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2.燃料電池車両開発

化石燃料である軽油を燃料として走行する気動車(ディーゼルエンジンによる動力で走行する車両)の将来の置換えをめざし、三菱電機株式会社およびトヨタ自動車株式会社と当社の3社で連携し、燃料電池車両導入に向けて車両仕様や試験内容の検討を開始しました。
以下のコンセプトで仕様を検討します。

  • 燃料電池システムや水素貯蔵システムに汎用性の高いものを採用し、国内外の標準化を想定した仕様
  • モーターを制御する主回路システムは電気式気動車と共通化を図り、電気式気動車の燃料電池車両化が行える構成(下図イメージ参照)
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2024年度から仕様検討を開始し、2030年代早期の営業運転開始を目指して進めてまいります。

3.次世代バイオディーゼルの実証実験と今後

JR西日本グループでは、2022年度より、国土交通省の公募に採択され、ディーゼル車両への次世代バイオディーゼル燃料導入に向けた実証実験を、JR西日本エリアを中心に実施しています。(以前の記事はコチラ

2022 年度はエンジン性能試験、2023 年度は夏期・通常期・冬期の3シーズンで走行試験を行い、次世代バイオディーゼル燃料の性能が軽油と同等であることが確認できました。

2024 年度の走行試験では、岩徳線・一部の山陽本線(櫛ケ浜駅~徳山駅間)の営業列車で次世代バイオディーゼル燃料を 100%使用して走行し、長期的に使用した際の車両性能への影響を確認します。
当社が保有するディーゼル車両の燃料を次世代バイオディーゼル燃料へ 100%置き換えることを目標とし、2024 年度の試験結果を踏まえ、2025 年度の実装をめざします。

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将来的に本導入に至り、当社で保有するディーゼル車両の燃料を次世代バイオディーゼル燃料へ100%置き換えることができれば、当社のディーゼル車両から排出されるCO2「実質ゼロ」を実現できます。
また、ディーゼル車両と同様のエンジンを使用する乗りものや機械などに応用できれば、スケールメリットによる燃料調達コストの低下によって、さらなるバイオディーゼル燃料の活用が進み、社会全体でCO2排出量削減が進展する連鎖につなげることができると期待しています。
 
今後とも引き続き、「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」の達成に向けた取り組みを進め、温室効果ガス削減、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献していきます。

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