広成建設株式会社は、新幹線鉄道トンネルにおける鉄筋コンクリート覆工の長期的な維持管理の方法として繊維強化プラステック製の内巻工(FRP内巻工)を施工しています。FRP内巻工の施工効率化を目的とした専用足場台車についてご紹介します。
※FRPとは、「繊維強化プラステック」軽量ながら弾性率が小さく強度の低いプラステックに、弾性率が大きいガラス繊維などの強化材を混ぜることで強度を高めた複合材料です。
1.開発経緯
トンネル覆工のFRP内巻工開発当初は、線路内にて枠組足場を設置する方法で施工していましたが、足場の日々掛払いに時間を要し又、施工延長が限られるという課題がありました。そこで、時間が限られる中で能力を発揮出来る、専用足場台車を製作しました。
2.専用足場台車の構造
専用足場台車は、延長10mで作業床が上昇及び、張出しを行い、カント整正機能を有し、上空架線にも支承しない構造となっています。
2016年度に1号機を製作し、2017年5月から実トンネルで施工の使用を開始しました。そして、2019年度より年間施工が増大する計画があったことから、2018年度には2号機を製作しました。2号機の構造は基本的には1号機と同じですが、1号機での課題であった最上段の作業床の制限荷重を増やすことで解決を図りました。
3.施工実績
- 新岩国~徳山間 周東T・樋口山T・第2久保T・第3久保T
- 徳山~新山口間 第2的場T・大平山T・第2畦倉T
4.まとめ
今後も引き続き鉄道技術展などで紹介します。