JR西日本グループでは、2021年に環境長期目標「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」を策定し、2050年にグループ全体のCO₂排出量「実質ゼロ」とすることをめざした取り組みを行っています。2022年度より、国土交通省の公募に採択され、ディーゼル車両への次世代バイオディーゼル燃料導入に向けた実証実験を、JR西日本エリアを中心に実施しています!次世代バイオディーゼル燃料を常時100%使用する本格実装に向けた長期走行試験を行うのは、鉄道事業者で初めてとなります。
1.次世代バイオディーゼルにより、CO2排出量「実質ゼロ」が実現!
次世代バイオディーゼル燃料とは、軽油と成分がほぼ同等であるため、軽油からの100%置換が期待されるバイオディーゼル燃料のことです。バイオディーゼル燃料が作られる際、原料となる植物等が光合成により、成長段階で大気中のCO2を吸収します。したがって、ディーゼル車両に使用している軽油を次世代バイオディーゼル燃料に置き換えると、燃料燃焼時に排出されるCO2と、精製時に吸収するCO2の量とがイコールとなり、CO2排出量を「実質ゼロ」とみなすことができます。
2.実証実験スケジュールと今後
下の図に示している通り、順次試験を実施していきます。長期走行試験でも問題がなければ、2025年度以降に当社のディーゼル車両で使用する燃料を順次、次世代バイオディーゼル燃料に置き換え、2030年頃を目途にすべてを置き換えることを目指します。
将来的に本導入に至り、当社で保有するディーゼル車両の燃料を次世代バイオディーゼル燃料へ100%置き換えることができれば、当社のディーゼル車両から排出されるCO2「実質ゼロ」を実現できます。また、ディーゼル車両と同様のエンジンを使用する乗りものや機械などに応用できれば、スケールメリットによる燃料調達コストの低下によって、さらなるバイオディーゼル燃料の活用が進み、社会全体でCO2排出量削減が進展する連鎖につなげることができると期待しています。今後とも引き続き、「JR西日本グループ ゼロカーボン2050」の達成に向けた取り組みを進め、温室効果ガス削減、2050年のカーボンニュートラル実現に貢献していきます。