電気事業法第61条に基づき、電線路に障害を及ぼす恐れのある樹木との『離隔状況』をパソコン上で管理し、樹木の成長量を予測することで次年度以降の効率的な伐採計画を立案することを支援するシステムです。電線と樹木との離隔状況は、電線温度の違いによる電線の“たるみ”や風圧による電線の“横揺れ”をパソコン画面上で再現し、電線下の樹木の“倒れ”も想定することができます。今回は『将来予測』と『伐採情報を管理』する機能をご紹介します。
1. 将来予測機能
電力会社が管理する送電線は全国電力で8万kmもあります。樹木接近状況の予測をPC上でおこなうことで現況把握のためのレーザ計測に必要なコストを抑えることができます。
1.1 樹木接近状況の予測
計測日から1年後~10年後までの樹木の接近状況(将来予測データ)を表示できます。樹木の接近状況を、静止時・横振時・倒壊時ごとに選択できます。
予測結果の表示方法は①全年度表示 ②年度別選択表示 ③年度毎表示(積算)のいずれかを選択できます。
将来予測は ①樹木成長曲線 と ②過去の計測データとの成長差分 から予測できます。
1.2 予測データにもとづく伐採範囲の設定
将来予測表示で横断面図を表示させると囲まれた範囲線が表示されます。
将来予測データをもとに、年度ごとの伐採範囲の面積集計ができます。集計結果はCSV形式でファイル出力できます。
2. 伐採情報管理機能
伐採した範囲を設定し伐採情報を入力します。
伐採更新年月日を入力し伐採方法に応じた情報を登録します。
伐採方法には【根切り】と【芯止め】があり、【芯止め】の場合には樹木高または伐採量を入力します。
2.2 継続した樹木管理に向けた伐採履歴の表示
送電線ルートは鉄塔間で鉄塔建替えにならない限り、経過する送電線の下の樹木は維持管理しなければなりません。山林において完全に樹木を排除した後は植林をすることが前提であり、切り株を残しての伐採の場合は樹木は再び成長するためです。
過去に伐採処理した履歴情報を取り込み表示することで、継続した樹木伐採管理が行えます。