outline製品のポイント
鉄道車両用の在姿車輪旋盤の不具合による運用トラブル低減、機械保守員の負担軽減
鉄道車両を検査・修繕(以下、検修)する工場の設備機械は、機械保守員により整備され、安全かつ効率的な車両検修・修繕作業を実現し、工場の操業を支えています。しかし少子高齢化によって設備機械の機械保守員が少なくなっていくことが想定されます。今後、労働人口が減少していく中で、設備機械保守の作業効率を高めていく必要があります。本記事で紹介する在姿車輪旋盤の状態監視システムは、機械の稼働データを基に機械保守員をサポートし、データに基づいた保守作業および設備修繕をアシストするIoTシステムです。
※状態監視保全とは、データに基づいた保守作業および設備修繕を実施することです。
★注意
「在姿車輪旋盤の状態監視システム」は一部開発中の製品です。
仕様や機能等は製品化時に予告なく変更される場合がございます。
鉄道車両用の在姿車輪旋盤とは
鉄道車両用の設備装置はいくつか種類がありますが、今回注目するのは、在姿車輪旋盤です。在姿車輪旋盤とは、車両に車輪が装備したままの状態(在姿の状態)で車輪を削正する事ができる旋盤です。
在姿車輪旋盤の状態監視システムの必要性
鉄道事業者にヒヤリングをしていくと、鉄道車両を検修する設備の中で、在姿車輪旋盤の故障率が高いことが分かりました。在姿車輪旋盤が故障すると、鉄道車両の車輪の削正が遅れ、車両の運用に大きなトラブルを生じ、ご利用するお客様に多大な影響を与えてしまいます。しかし在姿車輪旋盤の故障は専門性の高い機械保守員が遠方から来て対応することが多く復旧までに時間を要すことが多いです。さらに駆け付けた結果、軽微な不具合であり、不具合箇所さえ特定できていれば、現地の旋盤作業者だけで対応できたケースも多いです。これらの状況を改善するために、今回紹介する状態監視システムの開発が始まりました。

特徴 ・仕様 FEATURES
製品の概要(システム構成)

状態監視システムは、在姿車輪旋盤にデータロガーを設置し、常時データをデータベースサーバに集約します。集約したデータはリアルタイムでグラフ化され、タブレットなどの端末から常時確認することが可能です。
ポイント
- 在姿車輪旋盤の稼働状況や故障履歴を閲覧できる機能
- 在姿車輪旋盤の状況を時系列グラフとして閲覧できる機能
- 検修報告書を作成する機能
本システムの大きなメリットとして、タブレットなどの端末の画面に表示される、
• 在姿車輪旋盤のリアルタイムの稼働データ
• 過去から現在までの故障履歴
などを、在姿車輪旋盤の機種を問わず設備管理者や機械保守員が、同じ内容を確認できることでスムーズな意思疎通を図ることが可能です
状態監視システムの特徴

状態監視システムには以下のような特徴があります。
1. 設備稼働の品質の向上
- 在姿車輪旋盤のデータを収集、一定時刻毎にデータを送信することで運転、故障情報を時系列で一括表示が可能です。
- これにより故障の詳細が分かる様になり、設備稼働の品質を向上できます。
2. 高い拡張性
- 本システムはメーカーや機種に問わず導入することが可能です。
3. 高いセキュリティ性
- 携帯電話による閉域ネットワークのデータ通信を利用したクライアント/サーバシステムによるアプリなので、高セキュリティ性で距離に制限されません。
4. 検査記録などの閲覧の迅速性、改ざん防止(開発中)
- アプリケーションを使用する事で検査記録の閲覧を迅速化・改ざん防止を実現します。
- また計測項目のデータ置換、ペーパレス化が可能、様々なフォーマットでも対応します。
5. データに基づいた最適な保守(開発中)
- 劣化傾向の把握、予防保全の提案をできるよう開発中です。
また状態監視システムはタブレット等の端末で次の図のアプリケーションが使用可能であり、これらのアプリケーション上で状態監視システムの仕様を遺憾なく発揮しています。

状態監視システムの稼働までの流れ
状態監視システムの導入にあたってはデータロガー盤の設計、製造から設置の電気配線工事、各装置にあったプログラミング設計など、一連の流れを弊社が管理する為、非常に高い品質でご提供することが可能です。
1.打合せ
- データ伝送などの仕様やデータロガー盤設置を検討したします
2.データロガー盤製作
- 高品質な盤を製作いたします
3.データロガー盤設置
- 打合せで決定した内容に沿って設置いたします
4.プログラムインストール
- 作成したプログラムをインストールいたします
4.動作確認
- 問題なく稼働するか徹底的に確認いたします

ユースケース、効果 Use Cases&Effects
状態監視システムの展開状況

状態監視システムは現在、西日本旅客鉄道株式会社様の網干総合車両所、網干総合車両所宮原支所、吹田総合車両所京都支所、下関総合車両所広島支所に導入いただいております(一部試験的)。網干総合車両所はA社製のタンデムタイプ在姿車輪旋盤を、宮原支所ではO社製のタンデムタイプの在姿車輪旋盤を、京都支所と広島支所ではO社製のシングルタイプ在姿車輪旋盤を状態監視しています。メーカーや機種、距離に制限されることなく様々な在姿車輪旋盤の状態監視を実施できるのが状態監視システムの強みです。


今後の展望
現在、在姿車輪旋盤の状態監視システムと題していますが、在姿車輪旋盤に限らず様々な設備機械に導入できるように開発中です。少子高齢化による人手不足や、遠隔地にある為に人の手による監視が困難な装置は、在姿車輪旋盤に限らず多々あると思います。このような課題に対して、弊社の状態監視システムが様々な機種にも設置可能となる事で効率的な車両検修を実施できるように、開発を進めていきます。また、設備から得られるデータを分析する事で、車両そのものの状態を把握できるように、開発を進めていきます。
