プロジェクト事例

2024.06.13

生成AIの業務活用 ~安全マネジメントシステムの検索性向上アプリの作成~

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ChatGPTが世間に認知されてから、一気に生成AIがみなさまの身近になり、当社でも生成AIの技術を取り入れ、業務への活用に積極的に励んでおります。今回は、その取組みの一つである、安全管理の効率化についてご紹介させていただきます。

現状の課題

当社では、これまで発生させた労働災害や事故等を教訓とし、未来の事故の芽を未然に摘み取るために、社内システムである安全マネジメント統合システム(Integrated System for Safety Management以降、ISSM(イズム))に一元的に情報を蓄積し、誰でも状況や原因、対策等を閲覧・把握できるようにしています。

各種の工事や作業の計画段階で、危険要因の検討をするためにISSMを日常的に使用しているものの、膨大な情報から希望する情報を見つけるには、時間と労力が掛かってしまう課題がありました。

例えば、レールを固定するための「枕木」という材料を検索した際に、過去の登録者が、「まくらき」「まくらぎ」「まくら木」「マクラギ」等で登録していれば、「枕木」で検索しても単語が一致していないため、検索結果に表示さませんでした。

他にも「はしご」「梯子」「脚立」や、「墜落」「転落」等の、用途・意味は似通ってても異なる単語を使用しているものが大量にあり、使い勝手の面で改善の余地がありました。

ISSMの検索画面と登録情報

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ISSM画面(イメージ)

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登録情報(イメージ)

生成AIの活用とアプリの作成

生成AIが得意とするもの一部が、文章の読取り、特定の情報抽出、あいまい検索、内容の要約です。これらの機能が、膨大に蓄積した過去事例の検索と、その結果の表示に大いに活用できると考え、課題であった「枕木・まくらき」「梯子・はしご」問題を解決するために、生成AIを活用することとしました。

また生成AIを活用するにしても、使い勝手が悪くては、課題解決に繋がらないとも考え、利用者が分かりやすく使用できるアプリの開発も行うこととしました。

アプリ:ISSMサーチ

アプリの開発には大きく3点を目的としました。①すぐにユーザが利用できるようにする。②コストを掛けずに実現する。③ユーザが使ってみたいと思えるようにする。これらのことを実現させるために、ソフトウェア会社に作成を依頼するのではなく、PowerAppsを使って当社社員が自ら作成することとしました。

その結果、1ヶ月でアプリをリリースし、外注費も一切かからず実現しました。また当社のお堅いイメージも払拭し、ライトに使ってもらう様にするために、一目で使い方がわかるよう画面構成にもこだわり、また画像生成AIを活用し、イメージキャラクターも盛り込みました。

キャラクターはISSMにAIを取込んだとして、ISSM ISSAMI(出夢 伊佐美:いずむ いさみ)と名付けています。

アプリ画面とイメージキャラクター

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アプリ画面:ISSMサーチ

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イメージキャラクター:出夢 伊佐美(いずむ いさみ)

出夢 伊佐美アプリの効果

アプリを社内公開し、広く使用してもらったところ、多くの前向きな意見をいただきました。一例ですが、「ISSMを使用する機会が増えた。」「あいまいな言葉でも情報に到達できるので使いやすくなった。」「検索にかかる時間が20分から5分に短縮した。」というものでした。

また製作者が驚いたとに、ネガティブな意見が一切なかったというのも嬉しい誤算で、当社内の課題解決・業務効率化を、早く・安く実現することが出来ました。

終わりに

今回の「ISSMサーチ:伊佐美」アプリの作成は、当社の生成AIの活用のほんの一つの事例です。当社では生成AIをはじめ、新たな技術を積極的に取り入れ、安全性・サービスの向上、生産性向上に努めてまいります。

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