JR西日本テクノスは、2025年に開催された大阪・関西万博内『大阪ヘルスケアパビリオン』に設置された 「カラダ測定ポッド」の筐体設計に携わりました。
今回は万博会場に設置された「カラダ測定ポッド」、大阪駅などJR西日本の主要駅に設置された「カラダ測定ポッド Station版」について、JR西日本テクノスが携わった内容・設計秘話をご紹介します。
カラダ測定ポッドについて
1.「カラダ測定ポッド」とは
「REBORN」をテーマにした大阪ヘルスケアパビリオンの「リボーン体験ルート」は、自身の健康データを測定するところから始まります。この健康データを測定するのが「カラダ測定ポッド」になります。「カラダ測定ポッド」は、5分程度で7領域45種類程度の健康データが取得できます。この測定には、様々な企業が測定機器やプログラムを提供しており、それらをJR西日本テクノスが1台のポッドに組み上げました。

2. 「カラダ測定ポッド Station版」とは
万博開催に先立って、2025年3月よりJR大阪駅をはじめとした主要駅に設置されたのが「カラダ測定ポッド Station版」。大阪ヘルスケアパビリオンの体験を駅でも可能にするためJR西日本が設置しました。
この「カラダ測定ポッド Station版」は設置箇所の自由度を上げるため、様々な工夫を施した設計となっています。

〇天井および扉下部の開放
筐体は天井および扉下部を開放しています。個室の圧迫感を軽減し、リラックスした状態での測定環境を構築しています。また、開放構造により消防法などの法令に縛られない柔軟な設置を実現しています。
〇キャスタの設置、敷板設置構造
キャスタを設置することで機械等を使用せずにポッドを組み上げた状態で小移動が行えます。また、ポッドは体験者が入ると重量がかなり重く、アジャスタの接地圧にて床材が破損する可能性があるため、敷板が設置可能な構造としました。
〇扉の変更
ポッドの扉は開き戸タイプのため、回転軌跡に周囲の動線がある場合を考慮して、扉をカーテンに変更がすることができます。
〇電源、通信
電源はAC100V、通信も有線LANや無線(4G・5G)に対応しています。
このように「カラダ測定ポッド Station版」は、様々な環境で設置ができるよう考えて設計しました。
3. カラダ測定ポッド設計開発秘話~担当者へ聞きました~
- 設計担当者
弊社の通常業務で関わるのは鉄道関係や板金・機械加工会社が多いですが、今回はシステム会社さん・什器メーカーさんといった新たなパートナーの皆様と連携を取りながら仕事を進めることとなりました。普段は関わりのない業界・業種のため、専門用語がお互いに伝わらず、言葉や認識の違いに苦労しました。
また、使用材料も同様に、鉄道では主に耐久性の良いアルミや鉄、ステンレス等の金属材料を使用しておりますが、什器メーカーさんは展示会等のその期間のみ使用する製品を製作しているため木材を使用していることが多いです。そのため、普段とは異なる木材への部品の固定方法や筐体の構造について理解が必要となり苦労しましたが、大変貴重な経験となりました。



- 艤装および設置担当者
万博開催の2年ほど前から「カラダ測定ポッド」の製作に携わることとなり、モックアップを初めて見たときはまだまだ仕様が固まっておらず、完成形が想像できませんでした。その後、ポッド試作機がテレビ取材やニュースで取り上げられ、万博という大きなイベントの一翼を担う高揚感と同時にプレッシャーを感じました。
内装に関しては試作機の製作~完成品に至るまで、意匠性や組立作業効率など様々な検討を行いました。
ポッドは現地での組み立てが必要であることから、作業時間やスペースの制約を考慮し、搬入・組立作業をいかに効率化できるかを検討しました。万博会場での作業では、独特の緊張感の中で多くの関係者が関わるプロジェクトであることを実感でき、非常に貴重な経験となりました。特にポッドの搬送・搬入担当者や大阪ヘルスケアパビリオン全体工事の統括業者さんとの細やかな調整に注力し、工程の遅延やミスの防止に努めました。この経験は自信につながる大きな成果となりました。
万博会期中は、多くの来場者がカラダ測定ポッドを利用されているニュースを目にするたびに嬉しさがこみ上げ、ポッドの製作に関われて本当に良かったと思っております。
おわりに
大阪・関西万博の期間中、大阪ヘルスケアパビリオンの来場者は550万人を超え、「カラダ測定ポッド」は連日満員、多くの話題を集めました。主要駅の「カラダ測定ポッド Station版」も連日長蛇の列をつくり、体験者のヘルスケアに関する高い関心が得られました。
万博のレガシー事業として「カラダ測定ポッド Station版」は設置箇所を拡大中です。JR西日本の大阪駅や天王寺駅など主要駅のほか、駅以外のビル・医療施設などに設置いただいております。いつかあなたの街にもカラダ測定ポッドが現れるかもしれません。(詳しくはこちら)
※超マニアックな情報ですが、「カラダ測定ポッドStation版」も日々進化しており、設置箇所に合わせた設計を行っています。詳細はお伝え出来ませんが気になる方はぜひ現地でお確かめください。
弊社としてもヘルスケア分野という新たな領域への挑戦でしたが、鉄道分野で培ったノウハウを生かしながら無事成功を収めることができました。今後も私たちの礎である「安全」を土台に、新しいことに果敢にチャレンジしていきます。
