本装置は、整流装置の整流リップルに起因した高調波ノイズを架線を介して沿線に拡散することを防止する電力ろ波器です。
従来の電力ろ波器と比べ、共振回路の各分路の定格値を大きくすることで、直列リアクトル不要としました。これにより小型化、低コスト化を実現した装置です。
１．装置の目的・役割
整流装置の整流リップルに起因した高調波ノイズを架線を介して沿線に拡散することを防止するために電力ろ波器が変電所の帰線に設備されていました。従来の電力ろ波器はフィルタ部と直列リアクトルで構成されていましたが、フィルタ部の電流耐量を向上させることによって直列リアクトルを省略し、低コスト・省スペース化を具現化しました。本装置は3000ｋW以下の整流装置に適しています。
２．装置構成
フィルタ部の共振リアクトルとコンデンサの直列共振により整流リップルに起因した高調波ノイズを変電所外に拡散することを防止します。
ご要望に応じて直流高圧接地継電器（６４Ｐ）や直流き電電圧計測装置（ＤＣＶＴ）を内蔵することができるため、加圧部のオールイン化が図られ、安全性向上に寄与します。
３．低コスト・省スペース
直列リアクトルを省略したため低コストかつ小型、軽量可化を実現しています。
４．保守性
収納されているフィルタ部を構成する共振回路の全ての機器は乾式自冷式であるため、省メンテナンス性が向上しています。
５．設置環境に応じて対応
設置環境に応じて屋内用、屋外用を選択できます。
６．まとめ
当社製品には直列リアクトル付き電力ろ波器（Q－Fℓ）がございますが、3000ｋW以下の整流装置でご使用される場合には、直列リアクトル不要とした電力ろ波器（N－Fℓ）を開発しました。直列リアクトルを省略したことにより、低コストかつ小型、軽量化を実現しています。
電力ろ波器を導入する際には、是非弊社のN－Fℓをご活用ください！
