直流電鉄用き電線の負荷電流波形とΔI形故障選択装置(50F)の出力(ΔI)波形を測定する装置です。既設の電流検出器を利用するので本装置とお手持ちの記録装置を用意するだけで測定ができます。故障発生時や列車運行時に発生するΔI波形の記録ができるので、故障選択装置(50F)の整定値検討が容易になります。

1. 装置の目的・役割
ΔI形故障選択装置(50F)の整定値の決定方法は、一般的に下記(a)と(b)が併用されています。
(a)規定の保護区間率の範囲内において故障電流を計算し、故障電流より低い値に整定する。
(b)車両走行時の50Fの最大ΔI値表示を確認したり、車両の負荷特性から想定し、最大ΔI値よりも大きな値に整定する。このとき、(b)では瞬時的な最大ΔIの値はわかるものの、波形や発生時期など、ΔIの時間的変化や起因車両の特定はできません。
そこで、ΔIの情報を見える化できる装置を開発しました(下記①および②を測定可能)。
①どのようなΔI波形が発生したのか?
②どのようなタイミングで発生したのか?(ΔIが発生した際の車両編成やき電回路構成)
本装置によりΔIの時間的変化が明らかになるため、整定値をより最適な値に整定することが可能です。

2.列車運行時のΔI波形の記録が可能
故障発生時や列車運行時のΔI波形と電流波形を記録できます。
ΔIの発生時に記録計用トリガを出力することができます。
3.50Fの整定値検討の参考に
ダイヤ改正および新型車両導入時、き電区分所やタイポストの新設時などのき電回路変更時に、本装置でΔIを測定して、故障選択装置(50F)の整定値を最適化することが可能です。
4.測定準備が容易な可搬型
可搬型でコンセント電源(AC100V)のため、手軽に使用が可能です。
5.ΔI波形測定の受託サービス(有料)
当社へご依頼頂ければ当社の技術員によりΔI波形測定をお手軽に実施することも可能です。
まとめ
故障選択装置(50F)の保護整定の課題として、以下2点があります。
・き電回路の地絡や故障を確実に検知する
・高抵抗地絡保護等の観点から検出感度を高めようとすると、整定値を小さくする必要がある
これらの課題を解決するためには、力行電流で動作せず、何か異常があった場合には確実に検知することが必要です。
そのためには、「列車力行電流の変化分<50F 整定値<故障電流の変化分」より、列車力行電流の変化分を把握することが重要です。
そのニーズにお応えするため、ΔI波形測定装置を開発しました。
故障選択装置(50F)の整定値検討のため、ΔI波形測定装置をご活用いただければ幸いです。