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製品情報

2023.07.11

フィルタリアクトル故障事例とメンテナンス紹介

フィルタリアクトル作業風景

当社では、電動機モーターのメンテナンス専門会社として、全国の鉄道事業者様の鉄道車両の部品修繕、検査を行っております。

本記事では、フィルタリアクトルにおける故障事例と弊社でのメンテナンスについてご紹介致します。

フィルタリアクトルの故障事例

リアクトルの故障傾向

 

フィルタリアクトルは電線の巻き方により連続巻きタイプとディスクタイプの2種類があります。

弊社における散水・浸水試験結果から、連続巻きタイプに絶縁劣化している割合が多いことが判明しております。

フィルタリアクトルは帰線電流に含まれるVVVF制御装置等で発生した電気的ノイズを減衰させる役割をします。このフィルタリアクトルが絶縁不良により漏電すると架線停電につながる恐れがあります。

富士電機におけるフィルタリアクトルのメンテナンス紹介

フィルタリアクトル

①絶縁診断

外観検査、絶縁抵抗・tanδ・直流分測定、絶縁耐圧試験、24H吸湿絶縁試験、散水・浸水試験

絶縁診断はこれまで修繕を行っておられなかった事業者様がある部品に対して初めて手を加える際に、どの程度絶縁劣化が進行しているのかを判断するためのメニューです。

 

②中修工事(絶縁更新)

ワニスでの再含浸、乾燥を行い、絶縁抵抗を回復

中修工事は既存の絶縁ワニスの劣化(枯れた)状態の上からワニス層を形成させる工事で、古くなった建物の外壁を上塗りするイメージです。

 

③大修工事(絶縁更新)

コイル巻替、コイル部ワニス含浸、乾燥を行い、機器劣化状態を回復

大修工事は電線をすべて撤去し、一から電線と絶縁物を更新する工事です。古くなった建物の柱を残して壁を撤去し、壁と一緒に外壁塗装し直すイメージです。地絡故障が発生したリアクトルは大修工事を実施することになります。

 

初めて修繕する形式については、まず絶縁診断を実施し、その部品の劣化状態を把握した上で、適切な修繕内容をご提案いたします。絶縁劣化が比較的軽微であれば絶縁層を回復させる中修工事を、絶縁劣化が深刻なものに対しては絶縁物を全て更新する大修工事をお勧めしています。

富士電機の実績について

フィルタリアクトル作業風景

当社は、全国鉄道会社様から中修・大修工事あわせて約1450台の実績があります。(2023年6月現在)

東日本旅客鉄道株式会社 様

西日本旅客鉄道株式会社 様

四国旅客鉄道株式会社  様

大阪市高速電気軌道株式会社(大阪メトロ) 様

北大阪急行電鉄株式会社 様

など

 

また、日本鉄道機械技術協会主催、令和3年度全国「車両と機械」研究発表会特別賞を受賞しています。

弊社創業以来、電動機メンテナンスで培った絶縁技術によりモーター以外の製品についても大規模な修繕を実施することができます。

まとめ

当社は、電動機メンテナンスの専門会社として、全国の鉄道会社様より各種電動機の取り扱いをしている実績があります。

フィルタリアクトルの絶縁劣化を放置していると、架線停電といった大規模な輸送障害に繋がる可能性があり、お客様の安定輸送にも影響します。

お困り事やご質問等がございましたら、些細なことでも構いませんので、お気軽に当社までご連絡ください。

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