当システムでMTT保線作業のさまざまな課題やお困りごとを解決します。
1.「NtiRT」復元作業計画・MTT制御システム開発のきっかけ
線路のゆがみを直し乗り心地向上を図るためには、マルチプルタイタンパ(以下、MTT)と呼ばれる大型保守用車両を用いての軌道整備は必要不可欠です。
MTTの作業方法には一般的に、MTTが搭載する弦で相対的に整備を行う「相対基準作業」、線路実線形を測量し理想的な線形に整備を行う「絶対基準作業」の2種類があります。
しかし、どちらの作業方法にも以下のような課題があります。
相対基準作業…… 理想的な線形に整備することが難しい
絶対基準作業…… 事前測量が必要であり、コスト・時間・労力がかかる
このような課題を踏まえ、レールテックでは軌道検測車のデータを活用したJR西日本独自システム「復元波形」を使用し、MTT作業の労力やコスト削減を図ってきました。この「復元波形」を用いたMTT作業について、他の鉄道事業者様よりお問い合わせをいただく機会がありました。
しかし、「復元波形」を用いたシステムはJR西日本独自のものであったため、他の鉄道事業者様では使用することが不可能でした。
そこで、この「復元波形」を用いたシステムを他の鉄道事業者様でもご使用いただくために、〝「NtiRT」復元作業計画・MTT制御システム 〟の開発はスタートしました。この開発は、これまで私たちが培ってきたMTTによる軌道整備の理論と、保線の技術によって鉄道業界全体の安心・安全を底上げしたいという想いで創り上げたものになります。
2.「NtiRT」のイチオシPOINT
▪既存のMTT(Plasser&Theurer社製)に導入可能
システムをPCにインストールすることで、導入完了!
▪事前測量は不要
必要となるのは簡易な現場調査のみ!時間や天候に左右される現場測量は必要なし!
▪ボタンひとつで「作業計画」を作成
システムに「検測データ」を取り込むことで、事前に机上で作業計画が作成可能
▪整正作業時のキロ程誤差を自動補正
検測データと実際の整正作業時のキロ程の誤差をデータデポごとに補正し、位置合わせ
▪当社独自のC点ダイレクト工法を導入
現場の線形が曲線諸元線形と大きく乖離している場合も、最適な扛上量や移動量を算出し、軌道を最大限に良化!踏切や橋梁などの不動点箇所への取付け精度も大幅に向上!
▪良化度の推測
施工後の線形データを予測し、施工前のデータと比較して線路の良化度を推測可能
▪乗り心地を考慮した整正
列車動揺と軌道変位の相関性から、乗り心地に影響する軌道変位を狙い、最低限の移動量で整正
▪MTT操作もシステムが対応
作業仕上がりの経験値差がなくなり、安全性が向上!
3.「NtiRT」導入によって実現可能なコスト削減
MTTによる保線作業の時間・コスト・手間を大幅にカットし、どんな現場でも計画通りの作業を実現します。
◎人員削減
▪MTT操作の1名対応を実現!(※ワンオペ装置追加搭載MTTに限る)
▪MTT作業中のオペレーターの負担を大幅に軽減
▪「フロント」「タンピング」オペレーターの役割を1名で対応可能
▪システムが作業をアシスタントするので、経験や勘に頼った調整は不要
▪「熟練のオペレーター」や「経験の浅いオペレーター」の経験差はなし
◎時間削減
▪軌道検測データがあれば事前測量不要!
▪システムが自動的に復元波形を演算し「作業計画」作成
▪事前に「作業計画」が作成できるため、システム上でシュミレーションが可能
▪実際の現場に合わせた作業計画線の変更や修正が可能
◎コスト削減
▪システムが自動的に作業計画を作成するので労力削減
▪「フロント」「タンピング」オペレーターの役割を1名で対応可能
▪計画精度の高い作業を実現可能
4.まとめ
復元作業計画・MTT制御システム「NtiRT」は、JR西日本をはじめ、その他鉄道事業者様に導入実績があります。MTTによる保線作業のさまざまな課題やお困りごとを解決します。